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~食育を考える~

2012.11.30

★食事、栄養補給★


試合前後の食事、栄養補給に関して、簡単に記載します。

はじめに

このページに書かれている内容の実践は、すべて自己責任で行ってください。
このページの記載者、クラブは、一切の責任を負わないものとします。
数多ある情報から、効果が期待できるものを選び、記載しておりますが、確証はありませんので、悪しからずご了承ください。

野菜類、ビタミンは、毎日必須のものなので、記載しません。
また、一部の栄養素を多く摂取するのが良いと書いていますが、一番大事なのはバランスです。
炭水化物、タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、カルシウムなど、全体のバランスを考えた食事をすることが前提で、
それを中心に、必要な要素を増やし、不要な要素を減らすことが重要です。

「控える=全く摂らない」ではなく、多く摂りすぎないように注意するということです。
「~を中心=それしか摂らない」ではなくバランスを考えた上で、多めに摂取するということです。
このあたりを間違えてしまう方が多いので、念入りに記載しておきます。


◎試合前日の食事

試合前日は、翌日の試合に備え、エネルギーの蓄積をメインに考えます。
消化吸収に時間がかかるが、多くのエネルギーを含む物を中心とします。
具体的には、糖質、炭水化物、脂質、です。
タンパク質は、あまり必要ではありません。
ご飯などの固形炭水化物を、普段より多めに摂取(普段の1.5倍~2倍)
タンパク質(肉、魚等)は控えめに。
揚げ物は、油を大量に摂取することになるため、控えたほうが良いでしょう。

簡単に説明すると、おかずは少なめ、ご飯は多めが良いです。
試合時間まで、ある程度時間がある(半日以上)ので、そんなに気を使う必要はありませんが、
翌日のパフォーマンスに与える影響は大きいので、きっちりとした食事を摂り、しっかりと睡眠をとることが重要です。

チョコレートや、ポテトチップスなどの、油を多く使用したおやつも、試合が終わるまでは控えたほうが賢明です。
油の少ないおやつ(プリッツのような焼いてあるお菓子、アメ、ガム、ラムネなど)は、そんなに影響はありません。


◎試合前(当日)の食事

ほとんどの固形飲食物の消化にかかる時間は、約2時間と言われています。
理想は試合開始の3時間前、遅くても2時間前までにおなかいっぱい食べることが、試合でのパフォーマンスアップに繋がります。

試合前(運動前)は、炭水化物中心の食事で、タンパク質、脂質を控えてください。
油を多く摂ると、胃の中に油の膜が出来るので、消化効率が落ち、エネルギー不足になる可能性が高まります。
全く摂ってはいけないわけではなく、控えめにするほうが良いということです。

消化の悪いタンパク質(かたまりの肉など)を多く摂ると、消化吸収にエネルギーが使われます。
そのため、運動の為のエネルギーが犠牲になりますので、運動前には避けたほうが望ましいと考えます。
また、タンパク質がエネルギーに変わるまでの時間は、20時間程度と言われています。
そのため、試合時のエネルギーにはなりません。

野菜に含まれる食物繊維は、消化が悪く、腸でガスが発生し、お腹が張ってしまうこともありますので、味噌汁の具や、野菜ジュースで摂るくらいが良いそうです。

炭水化物、糖質は、直接エネルギーに変わるので、積極的に摂取してください。


◎試合の合間の食事

体に蓄積できるエネルギーは体重×30kcalと言われています。
体重25kgの選手ですと、750kcalしか蓄えることができません。
前日の夕食、当日の朝食をおなかいっぱい食べたとしても、朝からの基礎代謝と、
移動に使うエネルギーを考慮すると、午前中に30分の試合を2試合すれば、残らない計算になります。
ですので、試合の合間に摂るエネルギーは、大変重要になります。

おにぎり等の固形物は、試合の2時間前以降は避けたほうが賢明です。
消化に2時間程度かかる為、試合時のエネルギーにはなりません。
また、運動により腹痛(脇腹の痛み)等が起こることも考えられます。

バナナ、うどんやパスタ(粉物の炭水化物)カロリーメイトなどは、消化吸収が早いため、
固形の炭水化物と比べると、早くエネルギーに変わりますので、
試合までの時間が1時間以上、2時間未満でしたら、摂取していただいても結構です。

ウイダーインゼリー等の、ゼリー状のエネルギー補給食品は、すぐにエネルギーに変わります。
試合間隔が短い時などには、積極的に利用されてもよいと思います。
簡単な糖質補給に、アメなども良いです。

体や頭を動かすエネルギーは、糖です。
糖が不足すると、頭も働かなくなり、パフォーマンスも落ちます。
体は、糖質が不足したら、脂質を燃やしてエネルギーに変えることができますが、
脳のエネルギーになるのはブドウ糖だけです。
脳のエネルギー不足は、体の動きや、判断力の低下を招きます。
判断力が落ちると、良いプレーは望めません。

ヴァームという商品がありますが、この商品は、脂質の燃焼を促し、糖質を温存する効果があるとされています。
糖質を温存できるということは、筋肉への乳酸の蓄積の軽減、脳の唯一のエネルギーであるブドウ糖の温存が期待できます。
このことから、体力、集中力の長時間の持続という効果が期待できます。


◎試合後の食事

試合後、30分以内に消化吸収の良いタンパク質を摂取することは、体づくりの為に大変重要です。
牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品は、比較的手軽にタンパク質を補給出来るのでお勧めです。
試合の日の夜には、タンパク質を多く含む食事が効果的ですが、肉類は疲れた体には消化が悪いので、不向きです。
豆腐、納豆などの植物性タンパク質、動物性でも、肉より魚のほうが、体への吸収の面では有利と言われています。

また、梅干しや、キムチに含まれるクエン酸は、筋肉の疲労回復に効果的です。
グレープフルーツ、オレンジの、果汁100%のジュースにも多く含まれています。(無果汁はクエン酸が含まれないので無意味)

タンパク質を摂取した場合、タンパク質の消化吸収を促進するビタミン類も必要です。
不足すると、せっかく摂ったタンパク質が体に吸収されず、そのまま排出されてしまいます。

試合前と違い、エネルギーはあまり必要ないので、炭水化物は少なめで良いですが、
翌日も練習や試合がある場合は、翌日の為の炭水化物も必要になってきます。
体が吸収できる栄養素には、それぞれ限界があり、限界以上に摂取しても、体が受け付けず、そのまま排出されます。
極端な食事(肉ばっかりで野菜、ご飯を食べないなど)を摂ると、肉のタンパク質がしっかりと吸収されないだけでなく、体に無駄な負担がかかり、
無駄なエネルギー消費につながったり、炭水化物の不足によるエネルギー不足なども考えられます。
何度も書きますが、バランスが一番大事なので、各自で管理できるようになりましょう。


最後に

総合的に予定を考えながら、計画的に必要な物を摂取することが大事になってきます。

試合前後の食事が重要なのは当然ですが、それよりも大事なのが、普段の食生活です。
試合の為に、食事の時間を調整することは必要ですが、
普段は決まった時間に3食きっちりとバランスの良い食事を摂るということが、
成長期の子供たちにとっては何よりも重要です。

これらの内容は、決して強制するわけではなく、各自が自分の考えで行うものです。
また、これらをすべて行ったとしても、目に見えて子供たちのプレーが激変するようなことはありません。
ですが、プロのアスリートは当然ながら、意識の高い選手は小学生のうちから始めています。

上に記した内容も、一つの例として見ていただき、各個人の考え方の下で行ってください。
この文章を書いているのはプロではありませんので、間違った情報や、古い情報を流してしまうことも考えられます。